こんにちは、tsuneです。
うちの高橋さんから、「ビービットさんが元々フルタイムで働いていた方を時短の役員秘書として採用したんだよ~」と聞きまして、「それはすごい!」ということで取材させていただきました。
あ、これから素敵な取り組みをされている企業さんに取材に行こうと思っているのですが、特にお金をいただいているわけではありません。純粋にいいなーと思った企業を紹介させていただきたいと思っています!
まずビービットさんはどんな会社かというと、「人間の心理や行動特性を探求することで、真に役に立つ高品質な製品やサービスを創出し、豊かな社会の実現に貢献する」を理念に掲げ、ユーザ行動調査、顧客ロイヤルティコンサルティング、デジタルマーケティング改善などを行うコンサルティングファームです。
私は人事として働いていたこともあるのですが、中途で時短の採用をするなんて、受け入れる企業としては「最初から時短ってリスク高いでしょ」とそんな簡単に実行できる話じゃないよなと思ってまして、「なぜ時短採用をすることになったの?」「社内の反対はなかったのかな?」等々聞いてまいりました!
お話は人事部の田城さんに伺ってきました。
即時時短採用を始めた経緯
そもそも、時短採用を始めたのは、「社会のために女性の活躍を推進する!」とかウーマンアクションがどーのこーのという理念を掲げてのアクションではなかったと話す田城さん。
ビービットの中途採用は「自社の理念に心から共感してくれること」を最も重要視しているため、200~300人の応募があってようやく1人採用できる、という位採用にこだわっています。それゆえ、「なかなか採用数が満たない!」と採用に困っていました。
そんな折、派遣社員として短時間で働く女性が入社。その方がめちゃくちゃ仕事のできる方で、短時間で成果は出せるんだという前例を作ってくれ、
「価値創造が大事なので、プロフェッショナルな仕事ができるなら時間にこだわる必要はないよね」
「理念やビジョンに共感してくれる人たちと一緒に働ける場をつくるというのも必要だよね」
という議論につながったそうです。
その後採用活動を続けていた際、別の方がエントリーしてくれました。その方の応募書類を見ると、しっかりキャリアを積んでいたのですが「私は時短で働く事を希望しています。」との記載がありました。以前であれば、そうはならなかったかもしれないのですが、「時短だっていう理由は会わない理由にはならないよね」と採用につながりました。
内定を出す相手が時短ということで反対や躊躇が全然無かったわけではありませんが、
- プロフェッショナルな仕事ができる人にどういう場を提供できるかが問題だよ
- この方を採用するかどうか、ではなく、どうやって受け入れようか。帰宅後に仕事が発生したときの対応を考えておけばいいよね
という話になっていったとか。
入社後も、もちろん当人は何かしらストレスがあったかもしれないのですが、会社としては特に困ったこともなかったので、今後も職種によっては時短採用もありだよね。という話になっています。
この、「プロフェッショナリズムの尊重」というのが、ビービットさんの時短採用成功のポイントかなと私は思いました。企業の風土がまずは短時間労働を推奨するようになっていけば、時短採用がメジャーになりえるかも!!
かなりスムーズに時短採用を始められたようにお話いただきましたが、なぜそんなにすんなり導入できたのか、そこにはビービットさんの人に対する考えや風土が関係している気がして、もっと話を聞いてみたくなりました。
人に対するビービットさんの考え方
田城さんはこう話してくれました。
べンチャーなので、やはり四六時中仕事に打ち込みたい!という人が多いけれど、仕事は人生の一部なので、それを分割して仕事と人生に優先順位があるということはないと考えています。また、人の志向はずっと一緒ではなくて、新卒の時に抱いた情熱が仕事をしていく中で、良い意味でも悪い意味でも変化していくものだと思います。
停滞する時期や会社がちょっと嫌になることだってあるだろうし、彼女ができてうかれる時期や結婚してマリッジブルーになることもある。子供の手が離れたと思ったら親の介護が…と状況や志向は日々変化するもの。
その前提を分かった上で、プロフェッショナルなマインドをもったメンバーが、社会に対して良い仕事をしたいという思いが共通していて一緒に働きたいと思ってくれているのであれば、その人たちと手をつないで何とか一緒にやっていきたいと考えています。
例えば親の介護をしなくてはいけない、となったときに、仕事を辞めることは金銭的にも、社会とのつながりがなくなることでの精神的負担を考えても何も良いことはないので絶対に仕事は続けた方がいいと思っています。
なので会社としては、話してくれてありがとう。では、どうしたら続けられそうかを一緒に考えていく、というスタンスです。
私:なるほど、その社員の声を把握することが大事だし難しいと思うのですが、どう声を吸い上げているんですか?
ごめんなさい、どんな状況かわからないから、声を挙げてください!ってお願いしています(笑)
ママさんにも「子供と向き合いたい」「いや早くもっと働きたい」など違いがあって状況や期間、心境の変化はそれぞれなので、均一な制度ではカバーできないと考えています。「もうちょっと準備しておいてよ」と社員からは怒られますが…
ママに限らず、どう社員が長く心地よく働いてくれるかを考えていらっしゃる会社なんですね。
個人的には、画一的な制度をかっちりと用意してくれる会社よりも、自分の要望を聞いてくれて、一緒に働き方を考えていってくれる方がいいな!と思いました。
社員が自ら声を挙げられるのはなぜなのかをもっと詳しく聞いてみました。
お互いをリスペクトしあえる人が多いワケ
元々ビービットさんは、「ユーザー中心の社会を創る」ということを掲げていて、クライアント企業に「ちゃんとユーザーのことを考えてください」とコンサルテーションしてきた企業です。ユーザー中心、つまりサービスを利用する側が何を求めているのか、何を期待しているのかを徹底的に考えるという事ですね。
そのためもあって、会社にとっては社員もユーザーだよね、という意識が早くから役員の中にあり、一方社員の皆さんも、「私たちもユーザーですよ!」と声をあげる風土なんだとか。
「実は親の介護が…」「育児休暇復帰のタイミングなんですが…」といった相談や「もっとこんな制度があったら」「この仕事飽きた!」といった要望が、面談や飲み会の場で社員から出てくるそうです。
とある育休から復帰したママ社員さんはこんな風に言っています。
「会社としては制度が整っているわけではないけれど交渉できるし、マネージャーがちゃんと自分の話を聞いてくれ一緒に働く場を整えようとしてくれる。この人がいるから時短でも価値が出せる。」
社員からちゃんと要望が言えるのがすごい。そしてその要望を、役員を始めマネージャーの皆さんがちゃんと受け止めているのもすごい。役職や年次関係なくお互いをリスペクトしあえている会社だなと思ったのですが、そのワケはきっと、理念に共感した採用を行っているからだと感じました。
人が仕事に求めるものはお金や安定など様々ある中で、ビービットさんに入社してくる方は「どうせやるなら社会に良いこと、人の役に立つことがしたい」という思いの方ばかり。
なので
- 相手の話をちゃんと聞いてニーズに応えようとできるマネージャーが多いのでメンバーが意見を言いやすい
- 誰かが困っていたら、「手伝うことない?」と自然と手を差し伸べる
- 「それは私の仕事じゃない」と言うのはダサいとみんなが思っているし、言う
みたいなことが自然と行われていて、状況や心境が変わった人はそれを会社に言えるし、その変化を周りが受け入れられているのではないかと思いました。
人事の田城さんにお話を伺ったあと、オフィスも訪問させていただいたのですが、そこでちょうどランチ中だった、7月から産休に入る予定の方にも話が聞けました。
ビービットには「母の会」というママやママ予備軍の方同士が交流できる自主サークルがあるそう。そこで、育休中のママも参加するランチ会があったり、メールで育児相談をしあったりしているそうです。例えば、マタニティウェアや子供服を交換したり、「手づかみ食べいつまでやらせてた!?」というような育児相談があったり。
そんな自主サークルが生まれるところにも理念が表れているなぁと感じました。
田城さん、お時間くださりありがとうございました!
▼だめになるソファみたいなイスで誰か休んでる!
▼圧巻の本棚
▼お祝い事があったらプレゼントしてくれるそうです