decent-work’s blog

働きがいのある人間らしい仕事の実現支援と啓蒙を行う会社です。中の人たちの徒然を書きたいように書いています。

≪続≫ 働くママさんを本当に応援するには、「ママじゃない人が頑張りたくなる制度」ができたらいいんじゃない?

こんにちは!

ハチです。

 

前回のブログ、男女問わず、かなり多くの方から反響をいただきました。

それだけ身近な問題だったのかもしれません。

 

その前回のブログで触れた、ディーセントワークで検討中の新しい制度、「バディ制度(相棒制度)」。

(前回のブログはこちら) http://decent-work.hatenablog.com/

 

読んでいただけましたか?

バディ制度というものがどういう背景で考えられ、どのような内容になっているのか。

みなさんはどのように感じられましたでしょうか?

 

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◆バディ制度(相棒制度)

◇バディ制度の概要

一人の女性社員が妊娠をしたら、その女性社員のバディ(相棒)を、社内有志、もしくは能力を考慮して、会社からお願いをする。

バディになった場合、バディ期間中は月5万円のバディ手当てが支給される。

◇バディの使命

妊娠した女性社員がつわりで出勤できない場合のサポートや、産休中でも会社の状況がわかるようケア。

出来得る限り、ママのキャリアが切れないようにサポートすることが使命。

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前回も言いましたが、この「バディ制度」をより良いものにしていくためは、さまざまな意見が不可欠です。

そこで、周囲のママ、独身の男女、ママが夫に質問などをして、意見を集めてみました。

 

 

◆ママから見たバディ制度

• 境遇が異なる人も多いので、そんな人にも頼みやすいのは有り難い!!
• やむを得ない早退や休みで罪悪感を感じてしまうところを、報酬で補われていると思うと少しは気持ちが楽になる。
• 罪悪感や申し訳なさを、わかりやすい「お金」というところでサポートしてくれると、頼みやすいし、帰りやすい。

 

  ~実話も集まりました!~

• つわりのため突然電車に乗れなくなり同僚に迷惑をかけたことがある。会社が報酬としてカバーしてくれたら有り難い。
• 今はママだけれど、独身時代、結婚した直後に子どもがいなかった頃、働くママの仕事や妊娠した社員の仕事を背負ったことがあり、本当にしんどい思いをした。ママたちを応援したいけれど心中複雑だったが、お金でフォローされるのはある意味気持ちが割り切れたかもしれない。
• 妊娠期間がとてもつらかった。オフィシャルなサポートはありがたい。
• 子どもが産まれる前、産まれてからも、「周りに迷惑をかける」ことばかり気になり復帰に消極的になってしまった。復帰しやすい環境はありがたいと思う。
• 数年前、つわりがひどく、仕事をやめることになったが、急に辞めることになったため急きょ次の募集をかけて新人さんが入った。自分の仕事を同僚と新人さんで割り振ってもらったが、とてつもない罪悪感に襲われた。妊娠中なのに精神的にも良くなかったかも。手伝ってくれた人に手当てがあったら、少しは罪悪感が薄れたかもしれない。
• 介護にしても出産にしても、やった人にしかわからない辛さはどうしても存在し、経験した人しか寄り添えない部分はあるかもしれないが、お金はわかりやすくて良い。
• 独身時代に働いていた当初、産休で休んだ人の人員は増えず、しわ寄せを請け負ってとても辛かった。だから、自分が妊娠したら会社を辞めようと心に決めて、実際に退職した。もしお金の手当てをもらっていたら、お互いに気持ちが違っていた気がする。会社が「周囲に負担が増えているな」と理解していることを感じられるし、仮に人員が増えても新人さんはすぐに戦力にならないから。

 


◆サポートする立場(バディ候補)から見たバディ制度

• 手当てをもらえるのは有り難い。
• 5万円は気持ちとして受け取るので、途中でなくなってしまっても問題はない。(独身男性)

 

  ~こんな生の声も…~

• 実際に子どもが病気のママの仕事を請け負っていて、大阪出張など多くを肩代わりしている。人員不足を補ってもらうのが理想だが、手っ取り早いのは金銭的なフォローかもしれない。
• 仕事を長時間にわたり請け負っているのに「シングルは楽でいいね」と言われたり、「子どものいる人は早く帰らなくちゃいけないけれどシングルは時間あるでしょう」という空気感があったり、納得できなかった。「仕事の依頼=対価がある」という方がお互い責任が生まれ過剰な気遣い、すれ違いが生まれにくくなるのではと感じる。
• 本当ならば請け負った分代休がほしいが、取れないのが現状。休んでも仕事は減らない。なので、わかりやすい「お金」で手当てがもらえるのは良いのかも。
• PTAや幼稚園のイベントなどでも、かなり多くの業務を請け負っている場合、報酬制にするのが良いのでは、という議論がある。損をしている、と感じる人も多いので、お金も一つの解決策なのではないか。
• 独身時代に働いていた会社は、若い女性が中心の職場で、後輩が初めて産休育休を取得したことがあった。しかし、自分自身は全然理解してあげられず、今は悪いことをしたと後悔している。その後輩が復職した後も、その子供が風邪をひいたからと欠勤することが多く、正直嫌気がさしていた。でも、今となっては自分が実際に妊娠・出産・子育てしてみて、弱っている子どものそばに母親がいる大切さを痛感している。その時にバディ制度としてお金をもらっていたら納得できたのか、正直わからない。

 

 

どれも切実で、リアルな声です。

サポートしてもらう側もサポートする側も、どちらの立場も理解できますよね。

実際に、「今はママだけれど独身時代はサポートする側だった」という体験も多くありました。

子どもがいない方でも「どちらの気持ちもとてもわかるし共感する」という声もたくさんいただきました。

 

妊婦さんの仕事のサポートが大変だった経験から、

「当時お金をもらっていたらモヤモヤしていた気持ちが晴れていたかどうか正直わからない」

というママの率直な意見も納得です。

当然すっきりした回答ばかりではないし、正解・不正解もありません。

 

これらの様々な意見を踏まえ、バディ制度の内容もより深く考えていけそうです。

 

バディ制度、どんな問題がありそうでしょうか?

 

◆考えられる懸念点、課題

• やっかみ、押し付け、プレッシャーは、多かれ少なかれやはり発生はするかも。
• そもそも月5万円で良いのか?支払いの時期、期間、金額的な側面の問題。
• 実際にママをサポートするのは一人だけではないのでは。
• 仕事の境目が目に見えづらかったり、個人個人の仕事の境目がグレーだったりする職業もある。
• 自分にとって都合のいい様に利用する会社や人が出てくる可能性もあるかもしれない。
• バディはとても忙しくなるため、シングルの男女はプライベートが薄くなったり既婚男性の帰宅も遅くなるなど新たな不具合が発生する可能性がある。
• 約2年後に復職予定でも、保育園問題や育休中に考えが変化して(生活環境の変化、もっと子どもと一緒に過ごしたいなど)復職しなかった場合も考えると会社が月5万円を負担し続けるのは物理的に大変なのではないか。
• 妊娠期間の大変さは個人差が大きいため判断が難しいのではないか。
• 誰とバディ組むかが大切になってくる場合もあり、問題になりそう。
• 復職後、子どもの体調で仕事を休んでも、結局翌日や週末に仕事を抱え込むケースが多い。(復職後もオフィシャルなサポートがほしい。)
• 本来もらっているはずがなかった5万円とはいえ、休んでいた女性社員の復職によって、約2年間継続して昇給していたバディの月5万円が一気になくなると家庭としては金銭的に痛手となるのでは。

 

 

どれも「なるほど!!」と頷いてしまうような問題点ですよね。

 

バディ制度、基本的には「サポートする側も、される側も、サポート側がお金をもらっているからということで精神的な負担が少なくて良い!!」という声が多かったのですが、バディ制度の内容自体はまだまだこれから!!

もっと磨いていけそうだと感じました!

 

更により良い制度にしていくための意見も集まったので、次回のブログでまた発表します!